『セーラー服を脱いだら、キミは…』スカートが捲れた、その時ボクは… 番外編
気付いたら結構時間が経ってた


「ねぇ、理央
まだ家着かないの?」


理央が心配になった


「もぉ着いてるよ
家の前

でも
まだまだ武頼の好きなところあるんだもん」


「え、そんなないだろ」


「あるよ!
オレじゃなくてボクって言うところが
育ちが良さそう

ボーっとしてることが多いけど
たまに真剣な顔する武頼かっこいい
横顔はもっとかっこいい
後ろ姿もけっこう好き

頭がいい
字がキレイ
左手で書いた字もキレイ
あ、指も長くて好き♡

ちょっと癖毛の髪
伸びてくると襟足がクルンてなってかわいい
髪切った次の日はちょっと短くなりすぎてて
笑える…ハハハハハ…

まぁ、まとめて言うと全部好きなんだけどね
ちょっと残念なところも
かっこよさを無駄にしてるところも
全部…全部、好きだよ

大好きだよ」


めちゃくちゃ照れる


耳から熱くなる


たぶんニヤけてる


クリスマスの夜
ひとりでニヤけてて通報されないかな?


周りを確認した


「武頼、そろそろ家着いた?

ホントは一緒に寝たかったな
武頼の腕枕で…

だってクリスマスなのにさ…

ヤダな…家入りたくない

武頼とずっと一緒がいい

冬休みで学校で会えないしさ
あーあ…研修も行きたくない

武頼…聞いてる?」


「うん、聞いてるよ」


「武頼、画面見てよ!」


「うん、見たよ
理央、鼻赤いけど大丈夫?」


「ハハハ…トナカイみたい
そんなかわいくないか…ブス…

こんなブスでも、サンタさん来るかな…

クシュン!」


理央がくしゃみした


かわいかった


「理央、寒いんじゃない?
早く家入りなよ」


「んー…
家入りたくないし
通話、切りたくない」


画面の中の理央が照れたのがわかった


「理央、こっち見てよ」


「ん…?」


目逸らしてる


言うだけ言っといて
恥ずかしいの?


かわいいな♡


「理央、ボクの方ちゃんと見て…」


「うん…」


画面越し理央と目が合う


「理央…クリスマスプレゼントありがとう

理央に認知されたのは
残念な出会いだったけど…

あんなことがあったのに
ボクは理央のこと好きになってしまって

理央はボクのこと嫌だったかもしれないけど
こんな形で付き合うことができて

カッコ悪いボクも
ダメダメなボクも
理央が好きって言ってくれるから
理央といると自分らしさが出せて
すごく心地がいんだ

ボクは残念な人間なのかもしれないけど
ぜんぜん残念じゃなくて
ぜんぜん損してない

好きな子に好きって言われるのって
自分の存在を認められたって
すごく実感できて

理央に認知されてから
この数ヶ月
ボクの学校生活は
ボクの人生は
最高に輝いてて

毎日理央を
どんどん理央を
好きになっていく自分が怖くなる時あるけど

ボクが理央を好きになればなるほど
理央もボクをそれ以上に好きになるって
理央が言ってくれたから

これからもボクは
理央を…」


電車には乗らなかった


理央が家に着くまで
駅にいようと思ってたから


そしたら理央が好きとか言うから

そしたら理央がかわいすぎて
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