雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
どうやら私は一年分の記憶がないらしい。
精密検査の結果、一年分の記憶がない以外は異常はなかった。まれに頭を強く打つと起こる症状らしい。
失った記憶は明日、思い出す事もあるかもしれないし、永遠に戻らない事もあるかもしれないとお医者さんに説明された。
まさか自分が記憶喪失に陥るとは思わなかった。こんな事、映画の中だけの事だと思っていたのに。
「本当に私は一年分の記憶がないんですか? これって手の込んだ悪戯じゃないですよね?」
病室に戻ってくると、ずっと付き添っていた雨宮課長に訊いた。
久保田あたりがこういうバカらしい事を企てる気がする。
実はここは病院に見えて、どっかの撮影スタジオで、お医者さんも、看護師さんも俳優さんで……という事をつい考えてしまう。
記憶喪失をテーマにした映画の宣伝の為にやっているとしたら、少し強引だけど、ありえるかもしれない。
「奈々ちゃんこそ、嘘ついてないよな?」
「はあ? なんで私が嘘つくんですか!」
頭に来る。疑うなんて酷い。
「ごめん。奈々ちゃんが嘘をつくような子じゃないって知っているのに疑って。俺も信じられなくて。でも、俺以上に記憶がない奈々ちゃんは不安だよな?」
雨宮課長、自分の事『俺』って言うんだ。
普段は『僕』って言っていた気がするから、なんか戸惑う。
奈々ちゃんって呼び方も雨宮課長は慣れているみたい。
中島さんじゃなく、奈々ちゃんって呼ぶって事は私たちは……。
「雨宮課長、一つ聞いてもいいですか?」
精密検査の結果、一年分の記憶がない以外は異常はなかった。まれに頭を強く打つと起こる症状らしい。
失った記憶は明日、思い出す事もあるかもしれないし、永遠に戻らない事もあるかもしれないとお医者さんに説明された。
まさか自分が記憶喪失に陥るとは思わなかった。こんな事、映画の中だけの事だと思っていたのに。
「本当に私は一年分の記憶がないんですか? これって手の込んだ悪戯じゃないですよね?」
病室に戻ってくると、ずっと付き添っていた雨宮課長に訊いた。
久保田あたりがこういうバカらしい事を企てる気がする。
実はここは病院に見えて、どっかの撮影スタジオで、お医者さんも、看護師さんも俳優さんで……という事をつい考えてしまう。
記憶喪失をテーマにした映画の宣伝の為にやっているとしたら、少し強引だけど、ありえるかもしれない。
「奈々ちゃんこそ、嘘ついてないよな?」
「はあ? なんで私が嘘つくんですか!」
頭に来る。疑うなんて酷い。
「ごめん。奈々ちゃんが嘘をつくような子じゃないって知っているのに疑って。俺も信じられなくて。でも、俺以上に記憶がない奈々ちゃんは不安だよな?」
雨宮課長、自分の事『俺』って言うんだ。
普段は『僕』って言っていた気がするから、なんか戸惑う。
奈々ちゃんって呼び方も雨宮課長は慣れているみたい。
中島さんじゃなく、奈々ちゃんって呼ぶって事は私たちは……。
「雨宮課長、一つ聞いてもいいですか?」