雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「この車って『MINIクーパー』って言うんでしょ?」
助手席に座るお母さんが雨宮課長に話しかける。
私は雨宮課長が持って来てくれた見覚えのある白いダウンと、ブラウンのセーターにジーパン姿で後部座席に座っていた。
見覚えのある服だったのが、同棲している事実を突きつけられたようで悔しい。
それに退院の手続きも全部、雨宮課長が当然のようにやってくれて、ありがたいと思うよりも、申し訳なくて、何かバツが悪い。
病院を出たあと、雨宮課長と二人きりになるのが気まずくて、お母さんに一緒に来てもらった。だから今、雨宮課長が運転する黒いMINIクーパーにお母さんも乗っている。
「お母さん、よく知ってますね」
晴れやかな声で雨宮課長が答える。
お母さんだなんて言い方が気安い気がする。
「うちに来てくれた時、お洒落な車に乗っているなと思って調べちゃった」
うちに来てくれた時……。
雨宮課長は実家にも行っているんだ。やっぱり覚えていない。
お母さんも、雨宮課長も覚えているのに、私だけ覚えていない事が仲間外れにされたみたいで面白くない。
「興味を持ってもらえて嬉しいです」
お母さんと話している雨宮課長の声は私と話している時よりも楽しそう。
さっき病院で会った時、雨宮課長は気まずそうで、昨日よりもよそよそしい感じがした。
本当は記憶を失った私の迎えなんて来たくなかったんじゃないの……なんて、いじけた事を思う。
助手席に座るお母さんが雨宮課長に話しかける。
私は雨宮課長が持って来てくれた見覚えのある白いダウンと、ブラウンのセーターにジーパン姿で後部座席に座っていた。
見覚えのある服だったのが、同棲している事実を突きつけられたようで悔しい。
それに退院の手続きも全部、雨宮課長が当然のようにやってくれて、ありがたいと思うよりも、申し訳なくて、何かバツが悪い。
病院を出たあと、雨宮課長と二人きりになるのが気まずくて、お母さんに一緒に来てもらった。だから今、雨宮課長が運転する黒いMINIクーパーにお母さんも乗っている。
「お母さん、よく知ってますね」
晴れやかな声で雨宮課長が答える。
お母さんだなんて言い方が気安い気がする。
「うちに来てくれた時、お洒落な車に乗っているなと思って調べちゃった」
うちに来てくれた時……。
雨宮課長は実家にも行っているんだ。やっぱり覚えていない。
お母さんも、雨宮課長も覚えているのに、私だけ覚えていない事が仲間外れにされたみたいで面白くない。
「興味を持ってもらえて嬉しいです」
お母さんと話している雨宮課長の声は私と話している時よりも楽しそう。
さっき病院で会った時、雨宮課長は気まずそうで、昨日よりもよそよそしい感じがした。
本当は記憶を失った私の迎えなんて来たくなかったんじゃないの……なんて、いじけた事を思う。