雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「どうしたの? 沈んだ顔して」
お母さんが心配そうにこっちを見る。
「もしかしてお父さんの事気にしている? もう大丈夫よ。最初は拓海さんがバツイチだって事を気にしていたけど、今は全く何も言っていないから安心しなさいね」
雨宮課長、バツイチなの?
「お子さんを亡くした辛い経験をしているからこそ、拓海さんは優しいのよね。いつも奈々子の事を大事にしてくれるし」
えっ!!
お子さんを亡くした!!
「奈々子、どうしたの? 驚いた顔をして」
「いや、その……」
知らなかったとは言いづらい。
記憶を失くしている事を言ったら、お母さん、大騒ぎしそう。
バツイチでお子さんを亡くしているだなんて……。
なんて悲しい過去なんだろう。
雨宮課長の顔を思い浮かべたら胸が苦しくなる。
「あ、拓海さん、病院に向かっているって。30分以内に着くって」
お母さんが自分のスマホを見た。
30分って早い!
「奈々子、拓海さんが来る前に着替えちゃいなさい。病院着でしょ。それ?」
水色の病院で借りた上下の服を着ていた。
「うん」
棚からお母さんが昨日着ていた黒のパンツスーツを取り出す。
「あら、上は着れないわね」
上着とブラウスには血の跡が残っていた。
「コートないの?」
上にコートを着ればそれぐらい隠せる。
「ないわね。きっと拓海さんが持って来てくれるわよ」
仕方なく、下だけ履き替えた中途半端な格好でいた。
そして30分後、ショート丈のキャラメル色のダッフルコートとジーパン姿の雨宮課長が現れた。
スーツ以外の姿は初めて。
いつもは上げている前髪が額にかかっていていつもと印象が違う。……っていうか、私服姿が素敵過ぎる。めっちゃ好みなんですけど。
なんか胸がドキドキして来た。
お母さんが心配そうにこっちを見る。
「もしかしてお父さんの事気にしている? もう大丈夫よ。最初は拓海さんがバツイチだって事を気にしていたけど、今は全く何も言っていないから安心しなさいね」
雨宮課長、バツイチなの?
「お子さんを亡くした辛い経験をしているからこそ、拓海さんは優しいのよね。いつも奈々子の事を大事にしてくれるし」
えっ!!
お子さんを亡くした!!
「奈々子、どうしたの? 驚いた顔をして」
「いや、その……」
知らなかったとは言いづらい。
記憶を失くしている事を言ったら、お母さん、大騒ぎしそう。
バツイチでお子さんを亡くしているだなんて……。
なんて悲しい過去なんだろう。
雨宮課長の顔を思い浮かべたら胸が苦しくなる。
「あ、拓海さん、病院に向かっているって。30分以内に着くって」
お母さんが自分のスマホを見た。
30分って早い!
「奈々子、拓海さんが来る前に着替えちゃいなさい。病院着でしょ。それ?」
水色の病院で借りた上下の服を着ていた。
「うん」
棚からお母さんが昨日着ていた黒のパンツスーツを取り出す。
「あら、上は着れないわね」
上着とブラウスには血の跡が残っていた。
「コートないの?」
上にコートを着ればそれぐらい隠せる。
「ないわね。きっと拓海さんが持って来てくれるわよ」
仕方なく、下だけ履き替えた中途半端な格好でいた。
そして30分後、ショート丈のキャラメル色のダッフルコートとジーパン姿の雨宮課長が現れた。
スーツ以外の姿は初めて。
いつもは上げている前髪が額にかかっていていつもと印象が違う。……っていうか、私服姿が素敵過ぎる。めっちゃ好みなんですけど。
なんか胸がドキドキして来た。