オリオンの夜明け〜一生大切にするから〜
「はい、こっち向いてくださーい」

写真館のカメラマンの男性の声と共に、シャッターを切る音が響く。

「……はい、じゃあ少しだけ休憩はさみますね、休憩後に家族写真撮りますので」

カメラマンがそう行って、扉から出て行くと星香が嬉しそうに私に駆け寄ってきた。

「すっごく綺麗……」

星香が、私のウェディングドレス姿を眺めながら、ニコッと歯を見せて笑う。

「本当、お姫様みたいだな」

「もうっ、春樹、揶揄わないで」

口を尖らせた私を見ながら春樹が、嬉しそうに笑う。

「本当綺麗だよ、誰にも見せたくないくらい」

スパンコールがキラキラと光るマーメイド型のウェディングドレスに身を包み、百合のブーケを持った私を眺めながら、春樹が唇を持ち上げた。

「パパ、見過ぎだよっ」

真っ赤になった私を見ながら、淡いブルーのドレスを着た星香が、春樹を肘で突いた。

「いいじゃん、パパの奥さんなんだし」

奥さんという言葉に、私の顔はますます熱くなる。

「なぁ、星香、パパもカッコよくない?」

タキシード姿の春樹が、長身を折り畳むようにして星香を、覗き込んだ。

「パパも似合ってるけど……」

「けど?」

星香が、じっと私の瞳を見つめた。

「星香?どうしたの?」

「パパも似合ってるけど、お母さんのドレス姿の方が、すっごく似合ってる」

はにかみながら、笑った星香を、私は、ぎゅっと抱きしめていた。

星香の口から紡ぎ出された、『お母さん』という言葉が嬉しくて、幸せすぎて、言葉にならない。

「……星香……ありがとう」

「……お母さん、大好きだよ」

「……お母さんも、……星香が大好き……」

春樹が、白いハンカチで、私の目元を拭うと私と、星香の肩を抱いた。

「これからは、ずっと一緒だな」

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