暑い夏は冷たい晴に恋をする


一瀬先生の、高校生の時の文化祭の話とか、今日の出店の話とか。いつもより饒舌な一瀬先生との会話はあっという間で、気づいたらあたりは暗くなっていた。



キャンプファイヤーのあかりはなんとも雰囲気があった。



「一瀬先生、私。先生が好きです。」


思わず口に出てしまった。わかっている。これは先生を困らせてしまうって。


隣を見ると先生は、顔色を変えず黙ってキャンプファイヤーの灯りを見下ろしている。



「俺はさ、教師なんだよね。だからお前とどうこうなるつもりは無いし、なれない。」



口を開いた先生の言葉は、いつもどうり私を一発KOにした。わかっていますよ。そのぐらい。



「さっきおまえにしたこと。俺が教師である以上もうするつもりないから。今日はごめんな。」



言い終わる頃には先生は私と目を合わせて真剣な表情で語っていた。



わかっていた。でも涙がこぼれてしまう。今まで告白しても、流すように振られていたが、今日は違う。真剣に、向き合ってフラれてしまった。



もう私のHPは0.1ぐらいだ。でも、好きな人を困らせたくない。溢れる涙を止めることは出来なかったけど、それでも笑顔を作った。



「わかりました。でも、好きでいることは許してください。」


これだけで限界だった。その日の文化祭、キャンプファイヤーは涙で滲みながら、その水に掻き消されたように幕を閉じた。

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