暑い夏は冷たい晴に恋をする
「僕のこと信用出来ない?」
うっ、そんなこと言われたら断れない…よ。
「いっいきます」
「いい子」と言いながら須磨さんは私の頭を軽く撫でた。10分ぐらいしてお迎えが来た。いや、お金持ちなのは知ってたけど、迎えって、しかも執事さんまでいる。
高級車に乗り込んで、須磨さんちまでは10分ぐらいで着いた。覚悟はしていたけど、とんでもない豪邸である。
「おいで。天野さん。」
手を差し出され、払い除けることなんて出来るわけなく、手を重ねた。エスコートされ、家の中まで歩くと、さらに何にもの執事がいて、わたしがほんとにここに来てよかったかのすら分からない。
「あのっさ、私の事どうして連れてきたの?」
「それはね、これを見せたかったんだ。」
開けたドアの先には、うちのリビングの2倍ぐらいの部屋に、10匹以上の犬や猫がいた。楽園か?
「かっ可愛い〜!」
人懐っこい豆柴が早速私に飛びかかってきたのにびっくりして、腰を着いてしまった。痛いけどもう可愛すぎて、なんでもいいや!
「その子は、マメって言うんだ。この部屋は、僕の子供部屋をペット部屋に改装した部屋なんだ。」
マメ?結構そのまんまで思わず笑ってしまった。他にも何匹もの犬や猫が須磨さんに集まってきている。
「ただいま〜」
そう言いながら、顔をブルドッグに舐められてる須磨さんの笑顔はいつもより無邪気見えて可愛かった。
「ん?どうしたー?」
私の斜め前ぐらいの棚から顔を覗かせているポメラニアンがいたので、話しかけてみた。
「その子は、ポメって言うんだ。人見知りなんだよ。」
ポメって…以下略。そっと手を差し出してみると、顔を引っこめてしまった。残念…。
他にも部屋を見回してみると、部屋の中央に置かれている布団の上にチワワがいるのを発見した。カッ可愛い!そっと布団に軽く乗って手を差し出してみた。
「危ないっ!」
後ろから、抱き寄せられるようにしてそのまま布団に倒れてしまった。状況が混乱しているが、須磨さんに後ろから抱きしめられている?ことだけはわかってる。
「すっすまさん…?」
その勢いにびっくりしたのか目の前のチワワは逃げてしまった。それと同時に須磨さんは私から少し離れて、私はベットに倒れ込んだまま、須磨さんが手を着くという、押し倒されたような形になってしまった。
「ごめんね、大丈夫だった?あの子、噛みグセがあるから、夏のことも噛んじゃうと思って。」
須磨さんは気遣ってくれたんだ。でも、私はそれどころじゃない。いくら先生が好きでも、全く男慣れしてない私が、こんなイケメンと至近距離なんて、心臓がおかしくなっても変じゃない。
自分がどんな顔してるか分からないけど、みっともない顔なことだけはわかる。