暑い夏は冷たい晴に恋をする
「俺はさ、もう少し自分の知識を広めたくてさ、そしたら知り合いがある大学の研究チームに誘ってくれたんだ。」
そっか。先生はもっと歴史について学びたかったんだ。そうなんだね…。
「だからさ。退職届を出したんだ。」
そうなんだ…。わたしは頷きながら聞くことしかできなかった。
「じゃあ…もう…」
それ以上は喋らなかった。ただ流れる涙を拭くこともできず先生の腕の中で震えた。
「会えないって言いたいのか?」
「わたしは会いたいよ…。ずっと好きだもん…。大好きなんだもん」
先生は一呼吸した後、優しい手で頭を撫でた。
「そうか…じゃあ答えてくれ。お前は…天野…俺のこと待っててくれるか?」
わたしはゆっくり目を見開き、一瀬先生の目を見た。
「それは…どういう…」