ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
第一章 やってきた南の聖人
(……大丈夫かしら?)
シアはもじもじと着ているワンピースのスカートを引っ張った。
マルがちゃんとアイロンをかけてくれたけれど、皺ができてしまっているのではないかと気になって仕方ない。
「少しは落ち着いたら? 王様に会う時だって平然としているくせに」
「だって、アンセルム殿下と初めてお目にかかるのよ? 緊張するに決まっているでしょ」
アンセルムはこの国、ガラティア王国の国王であるエヴァンドロの異母弟だ。シアがこの国に来てから半年近くたっているけれど、アンセルムと会うのは初めてだった。
シアが来て、ガラティア王国は大きく変化した。
まず、国王に長年の間かけられ続けた呪いが解かれることになった。
だが、その過程で判明したのは、エヴァンドロ――シアの友人であり、シアはエドと呼ぶ――に呪いをかけていたのは、前国王の妃、エドにとっては継母にあたるイリアであるということだった。
イリアは辺境に追いやられ、生涯そこで幽閉と決定。彼女の魔力は、魔物を生み出す瘴気の浄化に使われている。
(――問題は、それに私が大きくかかわってしまったということなのよね)
シアはもじもじと着ているワンピースのスカートを引っ張った。
マルがちゃんとアイロンをかけてくれたけれど、皺ができてしまっているのではないかと気になって仕方ない。
「少しは落ち着いたら? 王様に会う時だって平然としているくせに」
「だって、アンセルム殿下と初めてお目にかかるのよ? 緊張するに決まっているでしょ」
アンセルムはこの国、ガラティア王国の国王であるエヴァンドロの異母弟だ。シアがこの国に来てから半年近くたっているけれど、アンセルムと会うのは初めてだった。
シアが来て、ガラティア王国は大きく変化した。
まず、国王に長年の間かけられ続けた呪いが解かれることになった。
だが、その過程で判明したのは、エヴァンドロ――シアの友人であり、シアはエドと呼ぶ――に呪いをかけていたのは、前国王の妃、エドにとっては継母にあたるイリアであるということだった。
イリアは辺境に追いやられ、生涯そこで幽閉と決定。彼女の魔力は、魔物を生み出す瘴気の浄化に使われている。
(――問題は、それに私が大きくかかわってしまったということなのよね)