ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 シャーミルは了承のしるしにシアに歩み寄り、マルはシアの肩でふんっと立ち上がる。警戒を強めるようだ。
 エドとシャーミルに力を倍増させる支援魔術をかけ、一歩下がったところから見守る。
 ふたりが力を合わせて全面の壁を押すと、少しずつ、少しずつ塞いでいた岩が動いていく。やがて、外からの光が差し込んできた。

「わあ、もう夕焼けの時間帯ですね!」

 魔道具から入ってくる光は、魔力で何倍にも増幅されていたから、いつの間にか日が傾いているのには気づいていなかった。
 沈みかけただいだい色の太陽に照らされた眼下の街は、黄金色に染まっていて美しい。

「ソレール家のグリフォンを呼びましょう。自力で降りるより、その方が速いですからね」

 無事にルイダーン王国側に出られたことで、ソレール家のお世話になることが決まる。シャーミルは、ソレール家のグリフォンを呼び寄せたのだった。
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