離婚前提から 始まる恋
普段は公私混同して三朝家の名前を利用するようなことは絶対しない。
でも、今夜だけはそうするしかなかった。

「ああ、兄貴?勇人だけど、突然ごめん」
「どうした、何かあったか?」

普段から連絡を取り合っているとはいえ、いきなりの電話に兄貴も驚いたようだ。
声に出したつもりは無いが、俺の焦りは兄貴にもわかったらしい。

「花音が会社の同期の家に行ったらしいんだが、連絡先が分からなくて・・・兄貴ならわかるだろ?」
「そりゃあうちの社員ならわからなくもないが、一応個人情報だからなあ」

そうだよな、色々とうるさいこの時代に、女性の住所を教えろなんて怪しまれても仕方がないと俺も思う。

「すまない。でも、ケンカして飛び出した花音のことが心配なんだ。特にここのところ体調も良くないし・・・」
「そうか、そりゃあ心配だな。わかった何とかしよう」
不安そうではあったが、兄貴は杏さんの連絡先を調べてくれた。
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