離婚前提から 始まる恋
「じゃあ、紅茶の詰め合わせとペアのカップをプレゼント用にお願いします」
「はい、ありがとうございます。少々お待ちください」

杏に送るプレゼントを選び包装してもらう間、私は店内を見て回った。

「彼女が専務のお相手なのね?」
二人きりになったタイミングで、杏が小声で話しかける。

「たぶんそうでしょうね」

でも、だからと言って何を言うつもりもない。
今はまだそっとしておいてあげたい。

「付き合わせてごめんね、杏。私どうしてもこの店に来たかったの」

私一人での外出の神経質になっている勇人に杏と出かけたって口実を作ってでもここに来て、沙月ちゃんが尊人さんの彼女だって確信を持ちたかった。

「それで、満足したの?」
「うん」

幸せそうな沙月ちゃんを見て安心した。
後は2人をそっとしておいてあげたい。
< 211 / 233 >

この作品をシェア

pagetop