命の玉
その日もいつも通りおいしいご飯を食べて、りさの次にお風呂に入って歯磨きをして布団へ向かった。
特別だったことといえば晩御飯がお母さんの気まぐれでちょっと高い寿司だったことくらいかな。
でも、布団に入ってから事件は起こった。
私とりさはいつも通り横に並んだベッドで寝ようとしている。
「りさ、布団の中でゲームしてたら目、悪くなるよ。」
「もうすでに視力は落ちてきてるし、しらね。」
「宿題は?朝やるとバタバタして大変でしょ?見てあげるから今からしようよ!」
「ああ、うるさいなぁ。私はいいからさっさと寝なよ。」
「わかった。」
りさ、明日バタバタしてたら準備手伝ってあげようかな。
私が目をつむったときだった。
「いやぁぁぁぁぁ!たすけて!おかあさっ!おねえちゃぁ!あぁ!」
急いで布団から飛び起きてりさのベッドのほうを見る。
りさが、いない。
さっき黒い闇がりさを吸い込んで消えるのが見えた。なに、あれ。
周りを見渡しても電気をつけてみても見当たらない。
「りさ??」
返事はない。
りさはどこにいったの?
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