プラトニック ラブ
菜乃花の応援

堪える涙




ーー今日は午前日課の日。
今週は学年末テストの返却が行われ、主に復習授業をメインとしていた。


セイの侵入騒動があってから、1時間後にHRを終え、落ち込んでいる紗南を心配する菜乃花は気分転換にとランチに誘う。







2人は駅から徒歩5分の場所にある、オムレツ屋さんに到着。


赤いギンガムチェックのテーブルクロスに、木目調の壁。
食欲をそそる卵とチキンライスの香りが、鼻をくすぐる。


店員に料理を注文すると、お手拭きに手をかけた菜乃花は早速侵入騒動の話題に触れた。



「さっき廊下の向こうからセイくんが叫んでいた『エス』って紗南の事でしょ」



紗南は無言でコクンと頷く。
いっときの感情の荒波は去ったが、目は腫れぼったく充血している。



「終わっちゃった…。何もかも」



紗南はまるで緊張の糸がほどけてしまったかのように、肩を震わせ瞳に涙を滲ませた。

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