国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
確かに神殿で挙式はしていない。
それほどまでにカルトナーは6年前の時点ですでに荒れ果てていた。
かつては大帝国を誇ったはずのカルトナーだというのに、周辺国との間の領地争いの戦争は長期化して終わる見込みがなく、各地で暴動がおこり、帝国は荒れ果てていた。
そんな中で結婚式をしていられるわけもなく、もう少し待ってからという父のノックス公爵の意見も聞き入れず、自分が勝手に日を決めて結婚手続きを進めたくせに、初夜を終えたとたんにあの仕打ちだ。
そのくせ今になってまたそんなことを…。
もう6年も前の事をどうして見世物のようにとりあげられなければならないのか?
「なぜ今になって?」
「ヒーリーが、オリヴィアがまだ生きていると主張している」
「え?わたしは死んだことになっているはずでしょう?」
「そうだ。噂は徹底的に流したし、今のお前たちの居場所も徹底的に隠し通している。だからおまえが見つかることはないはずだ。だが、あの老狸はそう言って、オリヴィアを探し出してきて事実を確認すればわかるといっているのだ」
ブラッドリーの顔にも怒りがにじんでいる。
「どうやらあの狸はライネルにもスパイをもぐらせているらしい。俺はおそらく伯爵もそうではないかと思っているのだ」
「まぁ…本当なのですか?」
兄のデートの相手はヒーリーのスパイだと?
それほどまでにカルトナーは6年前の時点ですでに荒れ果てていた。
かつては大帝国を誇ったはずのカルトナーだというのに、周辺国との間の領地争いの戦争は長期化して終わる見込みがなく、各地で暴動がおこり、帝国は荒れ果てていた。
そんな中で結婚式をしていられるわけもなく、もう少し待ってからという父のノックス公爵の意見も聞き入れず、自分が勝手に日を決めて結婚手続きを進めたくせに、初夜を終えたとたんにあの仕打ちだ。
そのくせ今になってまたそんなことを…。
もう6年も前の事をどうして見世物のようにとりあげられなければならないのか?
「なぜ今になって?」
「ヒーリーが、オリヴィアがまだ生きていると主張している」
「え?わたしは死んだことになっているはずでしょう?」
「そうだ。噂は徹底的に流したし、今のお前たちの居場所も徹底的に隠し通している。だからおまえが見つかることはないはずだ。だが、あの老狸はそう言って、オリヴィアを探し出してきて事実を確認すればわかるといっているのだ」
ブラッドリーの顔にも怒りがにじんでいる。
「どうやらあの狸はライネルにもスパイをもぐらせているらしい。俺はおそらく伯爵もそうではないかと思っているのだ」
「まぁ…本当なのですか?」
兄のデートの相手はヒーリーのスパイだと?