国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
エピローグ
「母上。アンティラス侯爵夫人がいらっしゃいましたよ」

今年で15歳になったノアは、今やカルトナーの令嬢たちの羨望の的。
彼がいつ誰と婚約するのかと最近の社交界ではその話ばかりだ。

ほんとにアドルフそっくりなのだ。

「わかったわ。お通しして」

ジュリアンがライネルの幼馴染を突然連れてきたのは5年前だったか。
彼は結婚せずに男ひとり寡を貫いていたが、ノアが大きくなって始終ジュリアンの手助けは必要なくなった頃から1年に一度ライネルに戻っていた。
そんなある時、突然この幼馴染を連れてきて結婚したのだ。

今ではカルトナーの魔塔主となったジュリアンは夫人とその間にできた令嬢と共に幸せに暮らしている。

この夫人が最初あまりカルトナー語がわからなかったため、オリヴィアがよく会ってライネル語で会話しながらカルトナー語を教えてあげたりしていたことから仲良くなっていった。

しかも娘が同い年なのだ。
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