国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
スタンフィールド侯爵家はライネル王国では由緒正しき貴族だ。
侯爵家には名だたる高位貴族たちも集う。
ブラッドリーはカルトナーを出て、ひそかにスタンフィールド侯爵家の跡継ぎとしてライネル王国に認めてもらうよう動き始めているため、オリヴィアが王都にいてはは目立ちすぎてしまうのだ。

ライネルの貴族たちでアドルフを知っている者が多いわけではないが、まったくいないわけでもなく、気づかれてしまえば身の破滅だ。
絶対に知られてはならない。
妹とノアを護らなければならない。

ブラッドリーは徹底して隠し通すためアンネ叔母に一緒に頭をさげてくれたのだった。

こうして、オリヴィアはカルトナーから脱出する際に殺されたという噂を流し、さももうこの世にはいないかのように装い、新しい人生をひそかにアンネ叔母の元、スタートさせたのである。


オリヴィアはノアを産んでから治癒能力が自分にあることに気づいた。
もしかしたらノアが運んできてくれたのかもしれない。

かつてはノアが熱を出したときに必死で祈っていたらノアが一瞬の後にケロリとしているのを見たのがきっかけだった。
それに気づいてからオリヴィアはノアの育児の合間を見て治癒能力に磨きをかけることに専念した。

ノアが4歳になって少し手がかからなくなったころ、オリビアは治療師として働くことを決めた。
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