国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
そうしてブラッドリーとアンネに話し、昼間アンネに見てもらって、アミングウェイで唯一の小さな神殿で治療師として働き始めたのだ。

ブラッドリーは反対したが、オリヴィアはこのままずっと兄の世話になり続けるつもりはなかった。
ノアを育てるためには自分でお金を稼がなければならない。
もう貴族令嬢に戻る気はさらさらない。

オリヴィアにとってはノアがすべてであり、この子を育てるために残りの人生を使うつもりだった。


シチューを食べ終わったオリヴィアは今日はお風呂に入ることはあきらめ、濡れたタオルで身体を拭くとノアの横に滑り込んだ。

「ノア。おやすみ」

むにゃむにゃと寝言を言う愛すべき息子、ノアを愛しげに見つめ額にキスを落とす。

この子の5歳の誕生日には何を買ってあげようかと考えているうちにオリヴィアも疲れていたのか眠りについてしまったのだった。
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