国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
「やはり君に任せるのが一番だな。オリヴィア」

「な、なにをです?」

「君に皇后になってほしいのは今でも同じだ。けれど、無理強いはしない。ただ、助けてはほしいのだ。何分、今国はバタバタしているし皇后がいないため女性ができるべき細やかな気遣いができないのだ。俺はそういうことには向いていないしな」

まぁ確かに向いてはいないけれど…。

「だから、皇后代理という地位をオリヴィアのためにもうけるので、皇后がやるような業務をこなしてもらいたい」

「お待ちください。陛下。わたくしにはそんな大きな役割は…」

「ここにずっとオリヴィアにいてもらうには何か役割を担ってもらう必要がある。それは俺が決めたことなんだ。役割のないものは宮殿に来るなと。新しい国をつくるためには何もしないただいるだけの人間は不必要だと俺が法を変えた。
だから、君にも何かしてもらわなければここを出て行ってもらわなければならなくなる」

うっ…。

そう言われてしまうと…。

「だから、どうか受けてほしい」

皇后代理…。
ノアのそばにいるためには仕方ない。

「わかりましたわ」

「よかった。では、ノアの即位式のときに君の立場も明らかにするから、その日から公務をよろしく頼む。即位式は2週間後だ」
< 88 / 195 >

この作品をシェア

pagetop