国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
「はい。ではどうぞ」

どさっと、めんどくさそうに自分の前に置かれる書類。
歓迎されていないことは明らかだ。

まあいいわ。とにかく。書類をチェックしましょう。


その日は一日かけて書類をチェックしていく。

そして感じたこと。

やはり思った通りだわ。

不正はさすがに行われていない。
アドルフのカリスマ性は末端まで浸透しており、アドルフを神のようにあがめている彼らに不正を行うという選択肢はないようだ。

ということはだ。
この精神を維持しなければならないのだ。

だが、今のこの状況を見るに、遊びが無さすぎる。

毎日カツカツの生活を送れと指示しているようなものなのだ。
仕事はきっちりやらなければならないし、機能し始めた国を維持するためには残業も余儀なくされるはずだ。だが、これだといずれ貴族たちは遊べない状況に嫌気がさし、また他の指導者を求めてしまうだろう。

遊びをつくってやることも重要だ。

帝国に革命が起きて、1年が経とうとしている。
そろそろ仕事ばかりの日々は是正していく必要がある。

まずは宮殿の修理修繕と、制服の改善。そして経費で購入している捕食類を改めましょう。

その日はいろいろと頭の奥に構想を練りながら、部屋にもどったオリヴィアだった。
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