国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
6.皇后代理?
「オリヴィア殿下。こちらをいかがいたしましょうか?」

「そうね。一度書類には全部目を通します。そのあとで判断しますから、書類を全部こちらへ」

昨日の即位式ではじめて貴族たちの前へ披露目されたノアがあまりにもアドルフと似ていたため、貴族たちは文句が言えなくなってしまったらしい。
ノアが姿を現すと絶句している貴族たちの姿が目に入り、オリヴィアは少しほっとしたものだ。

オリヴィアに対しては、好奇の目や、嫉妬の目などいろいろな眼差しを感じた。オリヴィアに対する反応は拒絶の方が多かった。

どうやら明日からの政務は大変そうだと思わざるを得なかったのだが、母であるオリヴィアは強い。ノアのためなら今までどんな逆風だって耐え忍んできたのだ。

こんなことくらいでめげるもんですか。

得てして、次の日の早朝から早速執務室へ意気揚々と出向いたオリヴィアだった。
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