罪と愛
意味深に開けられた間に,私はピクリと反応した。



「…まぁ,もしかして迷っているの?」



喜んで見せてはいけない。

何か適当に…誤魔化さないと。



「素敵だわ。私,陰ながら応援しています」

「ありがとうございます。この間前向きな返事をしたばかりでして…あなたのような女性に言われると照れてしまいます」



…なんだ。

いけるわね。

一押し何かあれば…。



「年上が好きなのかしら」

「いえ,そう言うわけでは…ただ,あなたが綺麗だと,そうゆう話です」

「お上手ね。…ね,まだハッキリお返事をしたわけでは無いのでしょう? 今夜のご予定はおありかしら」

「それは…つまり……」



逸らされた瞳から,迷いを感じる。

けれど拒否のような嫌な感情は伝わってこない。

言うならば…まんざらでもない。

そんなところ?



「だめ? 私にあなたの時間を下さらない? 少しだけで良いの。近くのホテルの食事がすごく美味しいのよ」
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