推しとか恋とか青春とか。
そう言って手を繋いできた真留君に微笑む。


可愛いのはどっちだよ。


…でも、嬉しい…ありがとう、真留君。



「あ、真留君打ち上げは!?」


「あ、それが延期になったんだ。担任の先生が来れないとかで。だから、気にしなくていいよ」


「そっか。良かった」



じゃ、今日はこのまま一緒に帰れるんだね。


真留君の横顔に口角が緩む。


きっと、わたし達はこれからも何度も喧嘩をする。


だけど、その度にこうして仲直りをすればいい。


もちろん喧嘩はつらいし苦しい。


でも、その分だけ幸せも大きい。


その幸せを与えてくれるのは間違いなく真留君で、その他の感情を与えてくれるのも真留君だ。


だから、もう抜け出せない……



「ゆに、」



と笑うそのふんわり可愛い笑顔から。



ーーおしまいーー
< 319 / 326 >

この作品をシェア

pagetop