推しとか恋とか青春とか。
本当ならわたしも大声で応援したかった。


だけど、真留君の新しい姿のほうに見入ってしまって、正直応援どころじゃなかったんだよね。


今日の真留君は誰よりも男だったのが印象強い。



「嬉しい。ゆににかっこいいって思ってもらえたことも、妬いてくれたことも。頑張った甲斐があった」


「…うん…」


「僕ね、これまで色々諦めてきたんだ。勉強もスポーツも。だけど、ゆにと出会って、ゆにの為にって思うと不思議と諦めずにやれちゃうんだよね。だから、ゆには僕にとってかけがえのない存在なんだよ?」


「………。」


「そんな存在だからこそ、僕の嫉妬もどんどん深くなる…さっきみたいにね。それも相手ががっくんとなると余計だよ。ゆにも照れてるしさ〜」



っ、あれは照れたと言うより…ん〜……


別に学君をそういう意味で意識してる訳じゃないんだよ?


ただ…学君はやっぱりかっこいいからさ……あんなことされたら…ね?


女子はみんな同じ反応になるって!!


あ、でも…



「わたし、あの2人にからかわれてるみたい。嫌になっちゃう」


「…ううん。あの2人は本気だと思う。だって、ゆに可愛いもん。僕にはもったいないくらいにね」
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