Never Forget You
「今は言えない。
でも、俺がそれを考えていること、知ってて欲しい」



空は青く晴れていて、太陽はキラキラ輝いているのに。

私の心の中は。

土砂降りの雨だ。



「…え〜、嫌だ」

無駄とわかっていても、そう言うしかなかった。

「今のうち、穴が開きそうなほど、俺を見ていてよ」

そーちゃんは苦笑いしながらそう言って私の顔を自分の胸に引き寄せた。

「まだ。
正式に発表は出来ないんだ。
今年も見通しがつかなくて…
来年はホントどうなるのかわからないんだ」



スポンサーが、いなくなったのかな?

いや、そんなはずはない。

「嫌だ〜」

私はそーちゃんに抱きついた。

顔、どんな表情をしているのかわかんないけど。

私をその腕でギュッと抱きしめてくれる。

「ライダーを辞めても、バイクには関わっていくから、俺に何の変化もないよ」

耳元で囁きながら私の髪の毛を撫でてくれた。
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