Never Forget You
「えっ?」

私は口から心臓が飛び出そうなほど、ビックリしてそーちゃんを見つめた。

今、爆弾発言をした人とは思えないくらいに穏やかな顔をしている。

「拓海が生きていたら間違いなく1年前には辞めていたよ」

私はそーちゃんの右手をギュッ、と握った。

そーちゃんも私の顔を見る。

「拓海が成長すれば、俺は拓海のメカニックになる予定だったんだ。
元々、色んな開発に携わっているし…」



そーちゃんは色々話をしていたけど、私はショックでほとんど聞いていなかった。



拓海くんはもういないからメカニックへ転向する理由もない。



「なんで辞めるの?」

私は泣きそうになるのをこらえて聞いた。

そーちゃんは波の音を聞きながらしばらく黙っていたけど、やがて口を開いた。
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