Never Forget You
第8戦。



生憎、雨だった。

少し欝陶しい雰囲気の日曜日、決勝。

GP250は朝、一番に行われ、祥太郎くんが優勝して。

最終戦を待たずにシリーズチャンピオンを決めた。

そーちゃんは調整が合わずに5位。

それでも。

そーちゃんは満足そうに笑っていた。

一番高い所で笑う祥太郎くんを見つめて。



「きっと、お父さんも満足だと思うわ」

私の横で彩子さんは涙ぐみながら微笑んでいた。



そーちゃんはこの後、更にSBが控えている。

次第にその瞳は集中力を増してきて。

レースが始まる頃にはピークを迎えていた。

< 121 / 163 >

この作品をシェア

pagetop