Never Forget You
「真由ちゃん、少し座ってゆっくりしなさい」

彩子さんが上着を私にかけてくれた。

「…そーちゃん、真由ちゃんの気持ちもわかってあげて?
私もあなたの隣に立つのは真由ちゃんしかいないと思うから。
…無理はさせないわ」

そう言って彩子さんは私の隣に座った。

そーちゃんは大きくため息をつくと、ピットから出て行った。

「どんな感じ?」

彩子さんは私を覗き込む。

「少し、張る感じがあって…」

「今日は雨が降っているし、気温が下がるから余計そうかもね。
出番まで、出来るだけ動かないで。
その時に張りがあるようなら今日はもうやめよう、ね?」

私は頷いた。



どうか。

この違和感が治まりますように。
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