しくじったあいつ&突然のinvitation(続・金の草鞋を履いてでも…)
正直、私みたいな恋愛音痴は、彼氏に記念日を押し付けたりするのは、飽きられる女の象徴なのではないかと思っていたので、自分からどうこう言うことに抵抗があった。

なので、森川からストレートに言ってもらえたほうが助かるのが本音だ。

「うん。一緒に居るよ。問題は…今からじゃ、何処のお店も予約で埋まってそうだよね」

「もしよかったら…うちのクリスマスパーティーに招きたいんです。家族に先輩のこと、紹介したいって言ったら…重荷ですか?」

私はその言葉に、しばし瞠目してしまった。

「僕たちのこと、部員たちにも知れ渡ったことですし、もう堂々と、先輩のことをこの先の人生を共にする相手です!って、みんなに公開したいんですよ」

そう言われて嬉しかったくせに、

「森川。今は私たち、蜜月で浮かれてるけど、あんまり先走らないほうがいい…」

とても幸せな今があるからこそ、未来が不安になって…声のトーンまで落ちてしまった。

「先輩は…僕との将来は考えられませんか?」
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