しくじったあいつ&突然のinvitation(続・金の草鞋を履いてでも…)
それにしても…。

普段は私が、

「バカップル丸出しはみっともないし、公衆の面前でベタベタするのはやめようね」

と、釘をさしておいたので、森川は、夜道でもない限りは手も繋がない爽やかな彼氏でいてくれるが、人目がなくなった途端、ベタベタしてくる癖がある。

今日は平日だし、地元から離れた道の駅に居るせいか、真っ昼間なのに、ここぞとばかりにひっついてくる森川。

「こんなところには知ってる人もいないし、暑がるような季節でもないから、いいでしょう?」

という言い分。

私も私で、旅の恥は掻き捨てだと割り切って、たまにはいいよね…と思ってしまう。

そして、宿を目指して車は再び走り出した。
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