愛を欲しがる幼なじみは可愛い妻と我が子を手に入れたい
お試し婚の始まり
 お互いの両親には伝えてないが、私と叶はお試し婚をすることになった。

 結婚式の日取りも異例の速さで九月に決定。

 九月に式を挙げる前までに入籍すると両親には伝えてあるので、それまではお試し期間なのだ。

 お試し婚を試した後に入籍したとしても、無理だと思えば離婚しても良いと言われた私。

 ……けれど、そんなことはなるべくならしたくない。

 私はさておき、私のせいで叶がバツイチになるのは嫌だ。

 借金と引き換えとはいえ、そんなことをして叶を傷つけたくない。

 ただでさえ、私は叶の気持ちを受け取りながらも、朔君への気持ちが消えずに傷つけてしまっているのだから……。

 現在はお試し婚をするために引っ越しをし、慌ただしく過ごしている。

 幸い、食中毒の被害者も重傷者は出ずに済み、和解して終結した。

 叶のおかげで落ち込んでいた両親も元気になってきて一安心。

 叶に助けてもらわなければ……今頃はどうなっていたのだろう?

 そう思うと、私が叶と結婚することが最善だったのだと思い知る。
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