冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

幼なじみなんかじゃない

【伊織side】


「ここか、空音の部屋は」



俺はひとつのドアの前にいた。


今日は幼なじみ……空音と俺の家族で食事会をすることは知っていた。


家族ぐるみで仲がいいのでこういうことはよくあった。学校ではあまり友達と話をするとかそういうことはしない。


だけど幼なじみの空音の前では素の自分をさらけ出すことができる。


女子は苦手、というより嫌いなのだが空音は別。


向こうはどう思っているのか分からないけど俺は空音は特別な存在だと思っている。



「久しぶりだな。空音の部屋は」



高校に入ってからはまだ1度も空音の部屋には入ったことはないのでなんだか新鮮だ。中学の頃はいかにも女子が好きそうなものがたくさんあったけど今はどうなっているのだろう。


毎日一緒に登下校をしているのに、空音の部屋に入るのは緊張する。


それに空音とふたりきりになったら……。
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