2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
「杏華さんっていい人ですね。
響希ちゃんも可愛いし」

ちっちゃなライバル登場に私の心は穏やかではないけれど、それは隠す。

「まあな。
響希にはたまに、……よく勘弁してくれって思うけど」

思い出しているのか、部長が疲れた顔をする。
杏華さんのレッスン終わってリビングに戻ってきたら、半ば魂の抜けた顔をしていたもんね。

「でも杏華さんに頼んで花恋さんの件が解決したんなら、もう私と婚約者のフリなんてする必要はありませんよね」

こんなにも早く、部長との婚約関係が終わってしまうなんて思ってもいなかった。
できればもっと、少しでも長く、部長と結婚できる未来に浸っていたかったな。

「あー……」

長く発したまま、部長は止まっている。

「……それなんだけどな。
アイツ、たぶんまだ諦めてないから、婚約者のフリは継続な」

「……え?」

でも、杏華さんに頼んでつきまとわないように頼んでもらったんだよね?
なのに諦めていない、って?

「それくらいで諦めるような人間じゃないってこと。
今は次の手を考えてるんだろーなー」

部長はどこか他人事だが、それって大変じゃないですか?
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