2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
――犯人は意外と簡単に目星がついた。
「富士野くん」
「はい」
今日も専務が、富士野部長を呼びに来る。
部内には不安そうな人間も、彼に疑いの目を向ける人間もいた。
「きっと富士野部長は無罪だ!
信じてやろうじゃないか」
ざわつく部内を治めるように、ひとりの人物が立ち上がる。
それはあろうことか、あんなに富士野部長を敵視していた生野課長だった。
「富士野部長の分はオレがカバーするから、心配しなくていい」
彼の言葉で安心している人間もいるが。
……絶対怪しいよね。
目の敵にしていながらライバルとして認めている、とかならこういう態度はありえる。
しかし生野課長に限っては、ない。
誰がどう見ても富士野部長が正しいときでも、それは間違っていると必ず主張し、いかに彼を失脚させるかいつも企んでいるのが生野課長なのだ。
その課長が部長のピンチで上機嫌なのはわかるが、彼を庇うなんてありえなさすぎる。
いくらなんでも、こんなあきらかに〝疑ってください〟なんて行動を取るわけが……とも考えたが、少し前、私の噂が流れ始めたときから、思いおこせば様子がおかしかった。
ケチで有名なのに、出張先でお菓子を買ってきてくれたり。
たまたま居合わせた課長が、自販機のコーヒーを奢ってくれたなんて話もある。
もう怪しすぎて困るくらいだ。
しかも。
「あっ」
コンビニへ昼食を買いに出たら、生野課長を見かけた。
なんとなく、あとをつける。
彼が入っていたのは、鉄板焼きの店だった。
……こんな高級なところに、昼間から?
『ローンと子供の学費で給料のほとんどが飛んでいくから、金がない』
いつもそう言って飲み会の会費を払うのすら文句を言う彼が、昼間からこんなお店に入るのはありえない。
もしかして……花恋さんからお金をもらったとか?
そう考えるのはおかしいだろうか。
「富士野くん」
「はい」
今日も専務が、富士野部長を呼びに来る。
部内には不安そうな人間も、彼に疑いの目を向ける人間もいた。
「きっと富士野部長は無罪だ!
信じてやろうじゃないか」
ざわつく部内を治めるように、ひとりの人物が立ち上がる。
それはあろうことか、あんなに富士野部長を敵視していた生野課長だった。
「富士野部長の分はオレがカバーするから、心配しなくていい」
彼の言葉で安心している人間もいるが。
……絶対怪しいよね。
目の敵にしていながらライバルとして認めている、とかならこういう態度はありえる。
しかし生野課長に限っては、ない。
誰がどう見ても富士野部長が正しいときでも、それは間違っていると必ず主張し、いかに彼を失脚させるかいつも企んでいるのが生野課長なのだ。
その課長が部長のピンチで上機嫌なのはわかるが、彼を庇うなんてありえなさすぎる。
いくらなんでも、こんなあきらかに〝疑ってください〟なんて行動を取るわけが……とも考えたが、少し前、私の噂が流れ始めたときから、思いおこせば様子がおかしかった。
ケチで有名なのに、出張先でお菓子を買ってきてくれたり。
たまたま居合わせた課長が、自販機のコーヒーを奢ってくれたなんて話もある。
もう怪しすぎて困るくらいだ。
しかも。
「あっ」
コンビニへ昼食を買いに出たら、生野課長を見かけた。
なんとなく、あとをつける。
彼が入っていたのは、鉄板焼きの店だった。
……こんな高級なところに、昼間から?
『ローンと子供の学費で給料のほとんどが飛んでいくから、金がない』
いつもそう言って飲み会の会費を払うのすら文句を言う彼が、昼間からこんなお店に入るのはありえない。
もしかして……花恋さんからお金をもらったとか?
そう考えるのはおかしいだろうか。