2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
眼鏡の下で彼が、目尻を下げる。
それはとても嬉しそうで、頬がほのかに熱を持つ。
それにしてもいつも敬語の彼が、口調が違うのが気にかかった。

「昨日、『どんなに努力しても、姉が一番で私は二番』って言ってただろ。
紀藤はそれでいいのか」

部長は真剣だが、なにを言いたいのかわからない。

「別に私は、姉からあの人を奪いたいとかそんなことは……」

「違う」

首を横に振られたって、私の気持ちに嘘はない。
それに勝手に否定されて、むっとした。

「違いません」

「違う。
俺が言いたいのはそんなことじゃない。
紀藤はいつまでも、二番に甘んじていいのか、ってことだ」

やはり、部長がなにを言いたいのか理解できない。
私が二番に甘んじている?

「紀藤はどんなに頑張ったって、姉に、誰かに絶対に敵わないって、諦めているんじゃないのか」

「それは……」

部長の指摘にドキッとした。
彼の言うとおり、私はいくら努力したって無駄なんだってどこかで諦めていた。
諦め、努力することをやめていた。
それに富士野部長が気づくなんて。
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