捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?
少しだけアスター王子の顔が赤くなっていて、こちらも頬が緩む。
「これからも、疑問はその都度きちんと言葉にして話し合いましょう。後回しにしてしまえば、曖昧になってトラブルのもとになりますから」
「ああ、わかった」
素直に返事をくださったから、わたしはにっこり笑って念押しをしておいた。
「ここでは言いにくい事もあるでしょうし、ソニア妃殿下がわたしの両親を婚約の話し合いに招待してますから、また後ほど色んなお話を伺いますね?」
まだ隠し事があるならば、洗いざらい吐いていただきますからね?というプレッシャーが効いたか、アスター王子の顔は苦笑いに変わって「わかった」と呟いた。
「ミリィが不安になるなら、何でも話してやろう」
「はい。では、遠慮なくおうかがいしますから、そのおつもりでいらしてくださいね」
言質を取った! とわたしがにんまり笑うと、若干彼の口元が引きつった気がしないでもないけれども。問題はないでしょう、うん。
「それでは、アスターとミリュエールの婚約式についても、公式に準備を進めよう。マリアとフランクスの婚約については、男爵家へ追って沙汰する。ドラゴンやフィアーナについてはこちらで対処する。そなたらはやるべきことをやるといい」
数時間後国王陛下がそう締めくくられ、話し合いは終わった。