【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?
(やっぱりお父様はすごいなあ……先の先まで見据えてらっしゃるのだから)
わたしは今まで単に騎士になるためだけに、がむしゃらに訓練をしてきた。確かに騎士に必要なのは体力や冷静さ等もあるけれど、先を見通してそれに対応する力も必要だ。
お父様は体力おばけだし戦闘力は随一だけど、戦場や非常時の判断力や先見力などはきっと群を抜いて素晴らしいんだろう。
(わたしも……騎士を目指すならば、お父様に負けないように鍛えねば。ましてや王妃になるならば先を見通せる力は必須だ)
正規の騎士ならば配下の従騎士や従士に戦闘で指示をしたり判断を任される場面が出てくる。いざ単騎になれば、誰にも頼らずすべて自分で決めねばならない場面も出てくるだろう。
たとえ戦場でなくとも、なにか大規模な自然災害やブラックドラゴンのような幻獣の襲撃があるかもしれない。あの件はたまたま上手くいっただけで、周りの人たちの助けが無ければなし得なかった。
(わたしは……騎士としても人としても未熟だ。あのときも思いつきだけで動いてしまっていた。このままではとても王妃という大役は務まらない)
改めて話し合いの席に着いた今、自分の未熟さには反省するしかない。
ぐぐっと膝の上で拳を握りしめたわたしは、お父様や国王陛下アスター王子の顔をゆっくり見回してから発言の許可を求めた。
「そなたは当事者ゆえ、なにかあれば忌憚なく申せ」
国王陛下がそうおっしゃられたので、お言葉に甘えてこう提案した。
「わたしは、まだまだ未熟な人間です。ですから、もっと己を鍛えねばなりません。ですから、もっともっと学び自らを鍛錬する機会がほしいのです」