捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?

「まだるっこしいな〜スパーンと叩いて終わりゃいいだろ?」

高祖母様がまた余計な口を挟みだした。

「なぁ、ソニア。何ならアタシとアンタでその副王ってヤツを成敗してくっか?」
「あらあ〜いいですわね。お祖母様と戦うのは何年ぶりかしらぁ」
「はっはっは!やっぱアンタノリが最高だわ。なら、アタシが攻撃魔術ぶっ放すから、アンタはその後のフォローよろ!」
「あらあら〜、なら、わたくしの騎竜であるオーディンも呼ばなきゃですわね〜。氷漬けにしすぎないように言わなきゃ〜」

2人が完全に意気投合してとんでもない企みをしているのを、当然だけどピッツァさんとアスター王子が猛反対した。

「おい、ソニア。あんた仮にも妊娠中の妊婦だろ!むちゃくちゃやるんじゃねぇよ」
「母上、曾祖母様……お願いですから止めてください。そんな事をしたら、相手側に格好の攻め入る口実ができてしまいます」

2人はあくまで常識的な話をしているだけなのに、高祖母様とソニア妃には通じなかった。

「あらあ〜なら、やっぱり今産んじゃおうかしらぁ」
「お、いいんじゃね?アタシも手伝うぜ。なに、1分ありゃ産めるだろ」

ソニア妃に輪をかけて高祖母様がとんでもない発言をする。

「1分って……そんなに短時間で産めるんですか?馬だって最低限何時間か陣痛があって時間が掛かりますけど」

人間の出産はまだ間近で経験が無いから基準がわからないけど、馬の出産なら何度か立ち会ったことがある。だから疑問をぶつけてみれば、ピッツァさんが「そんなわけねえだろ」と呆れ顔。

「人間だと下手すりゃ陣痛だけで1日以上かかるひともいんだよ。コイツラが異常なだけだ。だから出産を簡単に考えるなよ」

< 342 / 583 >

この作品をシェア

pagetop