【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?
アスター王子からの突然の抱擁に、ドキンと心臓が跳ねる。
かぁっと顔が熱くなり、頭が沸騰しそうだ。
服越しなのに、彼のぬくもりをいつもより熱く感じるのは気のせい?
落ち着かなくなったわたしは、ついついいつもの反応を返してしまう。
「ちょ、アスター王子。なんでいきなり抱きしめるんですか!?」
「ん?それは婚約者だからに決まってるだろう。それに、ミリィもさっき言ったはずだ。どちらも恋愛初心者だと…ならば、こうして少しずつらしいスキンシップを増やすのも必要じゃないか?」
しれっとアスター王子はおっしゃいましたが……それは確かにそうなかもしれませんけど。彼の行動がいちいち心臓に悪いのですけど!
「スキンシップ……って。こんなに心臓に悪い行動がですか?いちいち抱きしめたり耳もとでくすぐったい囁きが必要なんですか?」
「……これくらい、まだまだなんだが?」
なぜか、アスター王子が嬉しそうに見える。わたしは嫌がっているんですけれども!?
「ちょ、いつまで抱きしめているんですか?いい加減に離してくださいよ」
アスター王子に抱きしめられていると、いちいち鼓動が速くなって顔に熱が集まるんだ。彼のぬくもりやたくましさを感じて、安心と落ち着かない矛盾する気持ちがせめぎ合う。
自分が自分で無くなる気がして、微かな恐れを感じた。