【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?
「まぁまあ〜せっかく来てくれたんだもの。ゆっくりしてね。はい、お茶をどうぞ〜」
侍女はたくさんいるのに、プライベートな私室でソニア妃は手ずからお茶を淹れて下さった。なんだか畏れ多いなあ。
「あ、ありがとうございます。いただきます」
言動はぶっ飛んでいらっしゃるけれども、ソニア妃が住まわれる離宮は壁や床が白色で統一され、植物があちこち植わっている。あまり派手ではなくとも、温かみがあって気分が落ち着く。
4人がけのテーブルも、こじんまりしているけれども木製でぬくもりすら感じる。出されたティーカップとソーサは磁器製の、小花があしらわれたもの。
控えめなデザインだけど、質の良さを感じる。
向かい側に座らされたアスター王子ももはや色々諦めたようで、渋々ティーカップを手にしていた。ふてくされた顔が少しだけかわいいかもしれない。
(……わぁ)
ティーカップを手にお茶をひと口口に含むと、ふんわりした甘みのある香りと爽やかさが広がる。
すうっと気分が良くなる配合の、ブレンドされたハーブティーだ。なんだか懐かしい薫りで、草原を駆け回る子ども時代を思い出し、涙が出そうだ。
「……このお茶、美味しいですね」
「でしょう?疲労回復に一生懸命考えたの〜いつかミリィちゃんに飲ませたいと思ってたのよ」
ニコニコ笑顔のソニア妃の言葉に、高祖母様は付け加える。
「エストアール領からわざわざ取り寄せたハーブばっか使ってんからな。そりゃあ懐かしい気分になるわな」