佐藤 VS 佐藤
天敵

あたしの名前は佐藤恋。
『こい』じゃなくて、『れん』と読む。

読み方は置いといて、漢字は嫌い。
『恋』と書くのに抵抗があって、大体いつも『佐藤れん』と書いてきた。

そんなあたしの天敵は、同じクラスの佐藤行成(サトウユキナリ)





小学校5年生で転校したあたし。
その、『前の学校』にいたのが、アイツ。

家も近所で、母親同士も仲良かったけど、いつも意地悪なアイツが苦手だった。
(1つ下の弟の宏光くんは優しかったのにさ。)




出席番号とか大体同じで(名字同じだから仕方ない)隣の席になることも多かったけど、
あたしが教科書忘れても、絶対見せてくんなかった。
(忘れもの多かったあたしも悪い)

遠足でペアになっても、置いて行っちゃうし。
(そのせいで迷子になった)

あたしの机の上に、わざと青虫置いたりするし。
(不覚にも大泣きした)



…とにかく、イヤな思い出は数えきれない。


小5で転校が決まった時、「大キライ!!」って言ったのは、あたしの唯一の復讐。
それまでは、また意地悪されるのが嫌で 文句も言えなかったから。


――そう。…それで、全部終わるはずだった。
終わると、思ってた。

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