出逢うべくして。You’re the one for me...

〜*凛花side*〜


伊吹くんから聞いた。


私をどれだけ思ってくれているか、
すごくすごく伝わってきて


話もせずに自分の中で
勝手に完結させて
連絡を返さなかった自分の行動を
情けなく思う。


咲にも言われたように

本音をちゃんと伝えよう。


「初めて食堂で私を助けてくれたとき、
気遣いのできる人だなと思いました。
正直言うとその時からもう惹かれてたんだと思います。」


「食堂で会えたらその日は何だか嬉しくて
忙しい合間を縫って連絡をくれるのも、、、
その時間がとても楽しくて終わってほしくないなって思って。」


ひとつひとつ、
ゆっくりしか出てこない私の言葉を
真っ直ぐな瞳で聞いてくれる伊吹くん。


緊張で震える手を
伊吹くんが両手で包んでくれる。


「...気づいたら、伊吹くんのこと好きになってました。」


「私、芸能人とか全然知らなくて伊吹くんがアイドルって知った時は正直ショックだった。一気に遠い人になっちゃった感じがして。住む世界が違う。
伊吹くんとの未来は考えられないな、諦めなきゃって思いました。」


「でも、伊吹くんがさっき、私が仕事を頑張る理由だっていってくれて...それは私も一緒だなって思ったの。」


「お付き合いするのに不安がないと言ったら嘘になるし、もし周りに知られて伊吹くんに迷惑かけちゃったらどうしようって気持ちはすごくある。」



簡単に後戻りはできない。
自分に言い聞かせるように
覚悟を決める。


「...それでも、伊吹くんと一緒にいたいなって思いました。」



「こんな私で良ければよろしくお願いします。」

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