出逢うべくして。You’re the one for me...


「ほんとに??」

驚いた顔で恐る恐る確かめるように
私の表情を伺う伊吹くん。


「ほんとに!」



「すげー嬉しい。凛花さん、ずっとずっと大切にします。」



「ありがとうございます!よろしくお願いします!」


生きてきた中でこんなに幸せな瞬間が
あっただろうか。


好きな人と両想いって
こんなにも嬉しいことなんだ。



そのあとはお互いの仕事の話とかプライベートの話もしながら美味しいご飯を一緒に食べた。



「美味しかったですね!こんなに美味しいご飯は久しぶりでした。」



「ほんとに!てか、凛花さん。敬語で話さないでって俺言いましたよね?笑」


「そうでした。あ、そうだった。笑
慣れないなぁ...じゃあ伊吹くんも敬語なしね!」


「俺もすか??」


「だってあたし伊吹くんの彼女なんでしょ?
距離感じるの嫌だから。」


「凛花さん。それ反則。かわいい。
まだ一緒にいたいんだけどなぁ...明日って仕事?」


「ううん、休み。」


「凛花さんが良ければだけど今からうち来ない?」



へ?伊吹くんのおうち???
いきなりハードル高い...


「普通2軒目いくとかだけど、
俺らいつ撮られるかわかんないから
もしかしたら今後も基本会うのは家に
なっちゃうかも...大丈夫?」


「付き合ってすぐ家に誘うのは
普通じゃないってのはちゃんと理解してます笑
そういう事情でってことで許して?笑」


早速、アイドルとの恋愛の掟みたいなのが
分かって納得する。


「わかった!大丈夫!行く!」


「よかった。住所送るね。先に出て向かってくれる?俺凛花さんがギリギリ見える位置にいて後ろからついてくから。」

「店出る時とか記者張ってるときあって時間差で
出るようにしないとなんだ...一緒に歩けなくてごめん。」


「そっかぁ。ほんと大変なんだね...」


プライベートも監視されてるなんて。


「本当にごめんね。思いの外色々あるでしょ。
...嫌になった?」



「ううん、覚悟してるから。遠慮しないで他にも気をつけてほしいこととかあったら言ってね!」


「ありがとね。その時は協力お願いするかも。
それと、はい、これ。」



私の手に握らされたのは、カードキー。


「なにこれ?」


「俺の家の合鍵、俺がいない時でも入れるように
持ってて欲しいんだ。」



「え、いいの???
信用してくれてるのは嬉しいけど
渡すの早すぎない?笑」


「いいの。俺の大切な彼女だから。
持っててもらいたいの。」


「わかった、ありがとう。」


「じゃ、行こうか。」


そういうと伊吹くんはお会計を呼ぶ。


「伊吹くん、あたしちゃんとお金払うからね。」


「え、やだよ。彼女には払わせないでしょ笑」


「こっちこそ年下に全部払わせるわけにはいかないから!」

「ごめんけど、俺凛花さんよりお金あるから笑」


「私だって稼ぎはあるよ!そりゃ敵わないけど!
なんかムカつくなぁ笑」


「ははっ笑 いいの。黙って奢られておきなさい。」


「じゃあ次は私が出すからね!」


「はいはい、それでよろしい。笑」



なんか立場逆転???笑
付き合って数時間でも
気楽にこういう会話できるのも
何か心地良い。


時間差でお店を出た後、
教えてもらった住所を調べて
伊吹くんのお家に向かった。

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