大事な大切な人

••実家へ


光希から電話があり
すぐ、実家に帰るように言われた。

その電話の向こうで
藍華の泣き声が聞こえたように思い

家の中を放置して
アパートをでた。

アパートの最寄り駅から
一時間弱、タクシーに乗り実家へ。

「ただいま。お父さん?! 
    藍華、きてる?光希?!」
と、玄関から声をかけながら
中に入ると

ドタドタと足音がして
「ママっ!!」
と、藍華。
藍華を抱きしめて背中を撫でる
目を真っ赤にして泣く藍華に
「藍華。何があったの?」
と、言いながら
少しきつめに抱きしめると
「姉さん、上がって。
    藍華も、おいで。」
と、光希に言われて
リビングに行くと父と杏叔母さんが
座っていて
私を見ると杏叔母さんが、
心配そうにかけよってきた。

私達は、三人でソファーに進み
三人掛けのソファーに座り
藍華の手を私は握りしめる。

何があったのかは、
わからないが
私に関する事だとわかる。

藍華のこの泣き方と
父の顔·····
叔母の心配そうな顔で·····
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