大事な大切な人

••決断


光希は、父が座る横
一人掛けのソファーに座り
姉と藍華を見る。

藍華は、
「おじさん。
私は、まだ子供だけど
きちんと知りたい。
だから、隠さずに話して。」
と、言った。

光希は、父を見る。

父は、目を瞑ったまま
少しして頷いてから
「藍華、辛い話かもしれない
それでも、大丈夫かい?」
と、優しい声で訊ねると
藍華は、私の手をギュッと
握り頷いた。

「まっ、待って。私の事?」
と、不安になり私が訊ねると
「「ああ。」」
と、父と光希。

裕典の事だとわかった。

本来なら、藍華にきかせたくないが
藍華を見ると
藍華も私を見ていて
私を除け者にしないで
私は、家族だよ。
って、言っているように見えた。

だから·····

「わかりました。どんな事?」
と、訊ねると。


光希は、今日、藍華と待ち合わせを
していた事から話してくれた。



その経緯は······

先日の私達の言い合いを
藍華がきいていて
光希に相談したことから·····

光希が、知人に紹介してもらった
調査会社に依頼し結果がわかった事。

「どうして、最初の時に相談しなかった?
私に言えば、離婚を言い出すと
思ったからか?
それなら、侑華は、裕典君と
離婚をしたくなかったと言う事か?」
と、父に言われて

私は、当時の話しをした。
それから、里美のご両親からの
願いとそれに答えた経緯まで。

父と光希は、
だから、藍華が生まれた時
病室に裕典がいなかったのだと
思った。

叔母の杏は、涙を拭きながら
話しをきいていた。

あれからの日々を簡単に話す。
「やはり、あの時、離婚を
するべきだった。
裕典に触れらることに嫌悪感しか
ないのに。」
と、伝えた。

「姉さん。今日、藍華は、
あいつが女と腕を組んで歩いて
いるのを見たんだ。
殴りつけてやったが。」と。
私は、すぐに藍華を抱きしめた。
「ごめんね、藍華。
本当に、ごめんなさい。
嫌な思いをさせて。」
と、言うと
藍華は、首を振りながら
「ママは、悪くない。
パっ、パパが悪い。」
と、言うと父が
「藍華、大丈夫かい?」
と、訊ねると
藍華は、顔色は、悪いが
父を見て頷くと
父は、それを見て一度頷き
私を見て
「それで、侑華はどうしょうと?」
と、訊ねられて私は
「藍華。ママ、パパと離婚したいと
思っているの。
藍華には、辛い思いをさせるけど。
ママと一緒にいてくれる?」
と、言うと
藍華は、何度も何度も頷いて
「ママといる。」
と、言ってくれた。

そんな藍華を抱きしめて
父達に
「お父さん、光希、杏叔母さん。
心配かけてごめんなさい。
里美のご両親に話して
離婚に向けて動きます。」
と、伝えると父は、
「わかった。
里美家には、お父さんも行く。
それと、お父さんの知人に
弁護士をやっている奴がいるから
きちんとしよう。」
と、言われて。
「お父さん、ごめんね。
宜しくお願いします。」
と、頭を下げると
藍華も一緒に頭を下げた。

父は、すぐにリビングを出て
その知人の弁護士さんに連絡をして
くれた。

明日の夕方に弁護士さんが
父の家に来てくれる事になり
私は、明日を早退して実家へ。

本当は、あのアパートに戻りたくないが
藍華の学校の物がある
それに私の物もあるから
戻るしかないと思っていると
光希が
「姉さん。
取り敢えず、今日は必要な物だけ
持ち出そう。
あいつがいると行けないから
一緒に行くよ。」
と、言ってくれて
「光希。ありがとう。助かる。」
と、言うと
すぐに行こうとなり
私と藍華は、光希と一緒にでる。

杏叔母さんは、心配しながら
「部屋を片付ける、待ってるから」
と、言ってくれた
「叔母さん、ありがとう。」
と、言って藍華と実家を後にした。
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