気づいたらそこは沼だった
「ツバサが居るのは本当?」

「どうしたん?頭も打ったん?」

目の前に居るツバサをぺたぺたと触り、この温もりと憎まれ口はどうやら本物だ。

「付き合ってるのも本当?」

「急になんや。病院行くか?」

付き合ってることを証明するかのようにチュッとキスをされどうやら本当に付き合ってるみたいだ。

「デジャブだなーって思って。私前夢で見たの。ツバサの声で起こされて、ビックリして起きて。お見送りの行動に腰抜かして…でもその時は付き合ってもなかったし、そもそも出会っても無かったんだけど…その後アラームで起きて妙にリアルな夢だったなってなったの。そしたら今日そのまま同じ事が起きたからこれも夢じゃないのかなって思って」

「じゃあそれは現実に起こる予兆だったんじゃないの?現にこうして俺らは付き合って互いの家行き来する仲やろ」

ツバサの手が頭に伸びてきてポンポンとされて

「これも夢で見た!やっぱり本物は違うね!」

「何アホなこと言ってるん?お前ほんまおもろいな。会社行かんくてええの?」

「あ、本当だ。遅刻しちゃう…でもツバサが居るし…」

「またいつでも会えるやろ。ほな会社行ってらっしゃい」

寂しい気持ちを押し殺し、渋々と言った感じでツバサの元を離れ会社に向かった。
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