気づいたらそこは沼だった
私たちの付き合い方は基本ツバサに合わせたスケジュールで会うことになっている。半日や1日オフがあれば私も合わせて有給や、休みの日は予定入れない。だけどそれだけだとなかなか会うタイミングを作るのが難しいから平日早く撮影が終わったり、次の日が割とゆっくりめの日は私の家にツバサが泊まりに来て、週末はツバサの家に私が泊まりに行く。と言ってもあのYouTubeで見る背景の家ではなく、私と付き合ってすぐに近い場所で家を借りたツバサ。なんでも従業員やメンバーが出入りするので、週末私一人で居ても落ち着かないだろうという優しさで借りてくれたのだった。なので私のキーケースには自宅、実家、そしてツバサの家の鍵が2個付いていて少し重い。だけどその重さも私には幸せの1つだ。そんな事を考えながら会社に行って。

「最近お前調子いいな」

周りの人から褒められるのはきっと愛の力だろう。

「ありがとうございます」

仕事を頑張れる理由の一つは、昼休憩に入ったらツバサから連絡来てるのを確かめるため。早く昼休憩になってほしいのその思いから今までより仕事をするスピードがあがったのだった。

「帰るわ、またな」

案の定11時頃にツバサから連絡が来ていたので、それだけで私は幸せを感じる。

「撮影頑張ってね」

返信をし、私は今日も幸せだなと些細なやり取りなのにそう感じ、携帯を閉じまた仕事に戻るのだった。
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