可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 でもさすが、宗介さんは演技のプロ。
 どっきりを仕掛けられたときは、ちゃんとおいしいリアクションできてた。

 それに、ある番組の司会のお笑い芸人に、天然でお茶目な部分を引き出されていたから、また新たなファンを獲得しそうだ。

 で、わたしはというと、宗介さんの録画を観ながら、大型のスーツケースに荷物を詰めこんでいる最中。

 そう。
 とうとう明日から、飯倉スクエア・レジデンスの住人だ。

 これからは彼と毎日会えるわけで、食事を作って、一緒に食べることもできるし、仕事で落ち込んでいるとき、そばで力づけることもできる。

 それもこれも向井さんがセッティングしてくれたおかげだ。

 後から宗介さんに訊いたのだけれど、反対する上層部の面々に「榊原にはどうしても必要なことだ」と猛プッシュしてくれたらしい。

 もう向井さんに足を向けて眠れない。
< 124 / 185 >

この作品をシェア

pagetop