可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
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ピンポンとドアチャイムが鳴った。
開けると、満面に笑みをたたえた宗介さんが立っていた。
「郁美」
ドアを閉めたとたん、抱き上げられた。
「きゃっ」
そのまま、その場でターンしそうな勢いで。
「信じられないよ。マンションに帰ったら郁美がいるなんて」
「わたしも。まだ夢を見てるみたい」
宗介さんはわたしをそっと下ろすと、顔を寄せる。
そして、ついばむような軽いキスをして、目を合わせてきた。
「今日からよろしく」
「こちらこそ」
ふたりで他人行儀に頭をさげ、どちらからともなく、ぷっと吹き出した。
「さてと、俺の部屋に来てくれる?」
「うん」
彼の部屋に足を踏み入れると、はじめて愛を交わした日のことが鮮やかによみがえった。
あの日からまだ半年も経っていないなんて、どうしても信じられない。