可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 翌日、事務所で会見が開かれ、その様子がネットで中継された。

 ちょうど昼休憩の時間で、わたしは自席でかたずをのんで見守っていた。

 矢継ぎ早に繰り出される質問に丁寧に答え、最後に宗介は言った。

「これまで公表できなかったのは、ひとえに自分の弱さのせいです。正直、結婚したことでファンが離れるのが怖かったんです」

 彼はカメラから目をそらさず、一言一言かみしめるように言葉を紡いでゆく。

「でも舞台演劇に出会い、そして今回、身に余る賞を頂き、ただ人気に頼るだけのタレントとしてではなく、俳優を生業にしていく覚悟ができました」

 まったく飾らずに、真摯に本心を伝えようとする彼の態度に圧倒されているのか、記者たちも無言で次の言葉を待っている。
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